国指定史跡ガイド 「鶴岡八幡宮境内」の解説
つるがおかはちまんぐうけいだい【鶴岡八幡宮境内】
神奈川県鎌倉市雪ノ下にある神社。1063年(康平6)に河内源氏2代目の源頼義(よりよし)が、前九年の役(1051~62年)で戦勝を祈願した京都石清水(いわしみず)八幡宮を、鶴岡若宮として由比ヶ浜に勧請したのが始まりといい、1180年(治承4)に源氏再興の旗揚げをした源頼朝が鎌倉に入ると、八幡宮を現在地に移した。鎌倉幕府が開かれたのちは、武家の崇敬を集め、神宮寺が創建されて25の僧坊を数えた。その後は衰退するが、戦国時代に北条氏綱が再建し、江戸時代には幕府の庇護を受けた。明治時代の廃仏毀釈により、多宝大塔などの仏堂は破却されたが、仏像の一部などは寿福寺(鎌倉市)などで保管されている。頼朝は八幡宮を鎌倉の中心として町づくりを行い、若宮大路と呼ばれる参道は由比ヶ浜から鎌倉を南北に貫通している。二の鳥居からは段葛(だんかずら)という一段高い道になり、三の鳥居を経て境内にいたる。太刀や神服などの国宝のほか、本宮(上宮(うえのみや))・大鳥居(一の鳥居)・摂社若宮(下宮(しものみや))などが重要文化財に指定され、境内は1967年(昭和42)に国の史跡に指定された。JR横須賀線ほか鎌倉駅から徒歩約10分。