精選版 日本国語大辞典 「鶸色」の意味・読み・例文・類語 ひわ‐いろひは‥【鶸色】 〘 名詞 〙 鶸の羽のような黄緑色。黄色の強いもえぎ色。ひわ。[初出の実例]「鶸(ヒワ)色の羽織」(出典:浮世草子・椀久二世(1691)上) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
色名がわかる辞典 「鶸色」の解説 ひわいろ【鶸色】 色名の一つ。JISの色彩規格では「つよい黄緑」としている。一般に、鶸の羽のような黄色みが強い黄緑のこと。鶸はスズメ目アトリ科に属する小鳥の名で、日本にはマヒワ、カワラヒワ、ベニヒワなどがいる。鳥の色名としては珍しく古い。中世から使われてきたとされ、江戸時代に流行した。染料には黄檗きはだ、または刈安かりやすと、藍あいを薄く用いて染めた。現代でも衣料品や陶磁器などに幅広く使われている色。 出典 講談社色名がわかる辞典について 情報
日本大百科全書(ニッポニカ) 「鶸色」の意味・わかりやすい解説 鶸色ひわいろ 色名の一つ。黄緑色。鶸の羽の色を連想して名づけられたもの。鎌倉時代以降使われたと思われ、『布衣(ほい)記』狩衣事(かりぎぬごと)の項に、さまざまな色名とともに「ひは」があげられている。萌黄(もえぎ)色より黄色みが強く、『日葡(にっぽ)辞書』(1603)に黄色の一種とある。江戸時代、町人の小袖(こそで)にも好んで用いられ、染料として黄蘗(きはだ)と薄い藍(あい)を使って染め出された。また、青みの濃い色を鶸萌黄、茶色みのあるものを鶸茶とよんだ。[高田倭男] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例