① ミカン科の落葉高木。各地の山地に生える。高さ約一五メートル。樹皮はコルク質で縦に深く裂け、淡黄灰褐色、内部は鮮黄色。葉は対生し、五~一三枚の小葉からなる奇数羽状複葉。小葉は長さ約一〇センチメートルの卵状楕円形で先はとがり、縁に細かい鋸歯(きょし)がある。雌雄異株。初夏、枝先に円錐花序を出し、黄緑色の小さな花をつける。果実は径約一センチメートルの球形で黒熟する。樹皮は漢方で黄柏(おうばく)といわれ、健胃薬とされるほか、黄色染料や屋根板などに利用される。材は建築材、器具材などとなる。漢名、黄蘗。おうばく。〔出雲風土記(733)〕