鷸蚌の争い(読み)イツボウノアラソイ

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精選版 日本国語大辞典 「鷸蚌の争い」の意味・読み・例文・類語

いつぼう【鷸蚌】 の 争(あらそ)

  1. ( シギとドブガイが争っているところを、漁師が両方とも捕えてしまったという「戦国策‐燕策」の故事から ) 無益な争いをしていると、思わぬ第三者に乗ぜられて共倒れになることを戒めたたとえ。
    1. [初出の実例]「鷸蚌の争遂に漁夫の利となるを如何せん」(出典:偽悪醜日本人(1891)〈三宅雪嶺〉濁〈林辨次郎〉)

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ことわざを知る辞典 「鷸蚌の争い」の解説

鷸蚌の争い

無益な争いをしていると、思わぬ第三者に乗ぜられて共倒れになることのたとえ。

[使用例] 鷸蚌の争いついに漁夫の利となるをいかんせん[三宅雪嶺*偽悪醜日本人|1891]

[解説] しぎはまぐりが、くちばし貝殻を互いにはさみあって争っているうちに、両方とも漁師に捕まってしまったという「戦国策―燕策」の故事によることば。

[類句] 鷸蚌相挿む/漁夫の利

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鷸蚌の争い」の意味・わかりやすい解説

鷸蚌の争い
いっぽうのあらそい

無益な争いによって共倒れになることのたとえ。シギ(鷸)がハマグリ(蚌)の肉を食べようとして、ハマグリの貝殻に嘴(くちばし)を挟まれ、互いに争っているうち、両方とも漁夫に捕らえられてしまったという『戦国策』「燕(えん)策」の故事による。むだな争いは第三者に利益を横取りされ、結局は共倒れになってしまうことを戒めたことばで、「漁夫の利」はその類句であるとともに、このあとに続けてもいう。

[田所義行]

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