麹塵(読み)きくじん

精選版 日本国語大辞典 「麹塵」の意味・読み・例文・類語

きく‐じん ‥ヂン【麹塵】

〘名〙 (麹黴(こうじかび)の色によるという)
青色の黄ばんだ色。この色は特に天皇の褻(け)の袍の色として禁色(きんじき)。古くは刈安(かりやす)、紫草(むらさき)に灰を加えて染めたが、後世は緯(よこいと)は黄、経(たていと)に青を用いて織り、青色ともいう。きじん。やまばといろ。麹塵色。
※菅家文草(900頃)一・賦得折楊柳「応手麹塵軽、候顔青眼潔」 〔白居易‐代書詩一百韻寄微之〕
小右記‐寛弘二年(1005)正月一八日「可御位御衣歟、将御麹塵歟」

き‐じん ‥ヂン【麹塵】

〘名〙 (「きくじん(麹塵)」の変化した語。「きちん」とも) 青色がかった黄色。きじんいろ。
梁塵秘抄(1179頃)二「きぢん山吹止め摺りに、花村濃

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デジタル大辞泉 「麹塵」の意味・読み・例文・類語

きく‐じん〔‐ヂン〕【××塵】

色の名。灰色がかった黄緑色。染め色では紫根しこん刈安かりやすで染める。織り色では縦糸を青、横糸を黄で織る。天皇のほうの色で禁色きんじきとされた。きじん。きちん。
麹塵のほう」の略。

き‐じん〔‐ヂン〕【××塵】

《「きくじん」の音変化》黄色がかった緑色
「―の直垂ひたたれに」〈平家・一〉

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