日本大百科全書(ニッポニカ) 「塩化ナトリウム型構造」の意味・わかりやすい解説
塩化ナトリウム型構造
えんかなとりうむがたこうぞう
sodium chloride structure
一般式AX(Aは陽性元素、Xは陰性元素)で示される化合物にみられる結晶構造の一型式。岩塩型構造あるいは食塩型構造とよばれることもあるが、岩塩、食塩はそれぞれ塩化ナトリウムの鉱物名および慣用名である。塩化物イオンが面心立方構造をとり、その八面体型6配位の位置にナトリウムイオンが入る。ナトリウムイオンも別の面心立方格子をつくっている。等軸(立方)晶系、空間群Fmm,a=5.64Åの単位格子中にナトリウムイオン、塩化物イオン4個ずつが入る。塩化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウム以外のハロゲン化アルカリはすべてこの構造をとるほか、銀のハロゲン化物、二価金属の酸化物、硫化物など(MgO、CaO、CdO、MnS、PbS)でも例が多い。
[岩本振武 2015年8月19日]
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