黒滝(読み)くろたき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒滝」の意味・わかりやすい解説

黒滝(村)
くろたき

奈良県中部、吉野郡にある農・林業村。吉野川支流の黒滝川流域に位置し、国道309号が通じる。南東部には大天井(おおてんじょう)ヶ岳など大峰(おおみね)山系が連なる。中世の黒滝荘(しょう)の地。古くから良質のスギヒノキを産出し、素材や磨丸太(みがきまるた)、輸入材を芯(しん)にした集成材などの木材業が盛んである。そのほか杉材の家具、焼杉細工や仏事用の槇花(まきばな)などが生産される。鳥住(とりすみ)の鳳閣寺(ほうかくじ)真言院に大峰修験道(しゅげんどう)中興の祖聖宝理源(しょうほうりげん)大師廟塔(びょうとう)(鳳閣寺廟塔、国の重要文化財)がある。面積47.70平方キロメートル、人口623(2020)。

[菊地一郎]

『『黒滝村史』(1977・黒滝村)』


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改訂新版 世界大百科事典 「黒滝」の意味・わかりやすい解説

黒滝[村] (くろたき)

奈良県中央部,吉野郡の村。人口840(2010)。吉野川支流黒滝川の上流域を占める山村山林が村域の大部分を占め,集落は黒滝川などの河川に沿って散在する。主産業は林業,製材業で,吉野杉,ヒノキ,マキ,松が産出され,みがき丸太の生産量も多い。花卉栽培,川魚の養殖も行われる。近年人口の減少が著しく,1970年に過疎地域の指定を受けた。真言宗名刹(めいさつ)鳳閣寺の廟塔は重要文化財に指定されている。
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