デルベントのシタデル、古代都市、要塞建築物群(読み)デルベントのシタデル、こだいとし、ようさいけんちくぶつぐん

世界遺産詳解 の解説

デルベントのシタデル、こだいとし、ようさいけんちくぶつぐん【デルベントのシタデル、古代都市、要塞建築物群】

2003年に登録された世界遺産(文化遺産)。デルベントは、ロシアのダゲスタン共和国の首都マハチカラ南東にある古代都市で、イラン高原からメソポタミアまでの広大な領土を支配したササン朝ペルシア(226~651年)が、カスピ海沿岸地方の防衛拠点として483年に建設した城塞都市。ササン朝ペルシアは、ローマ帝国との抗争で疲弊したパルティアを滅ぼして勢力を伸ばし、西方ではローマ帝国や東ローマ(ビザンチン)帝国と、東方ではトルコ系遊牧民の突厥(とっけつ)などと激しい勢力争いを繰り広げた。デルベントは東の防衛の要として、カスピ海からコーカサス山脈にかけて二重の城壁を造り、その城壁の間に町が建設され、当時は難攻不落を誇ったが、ついには突厥の攻撃により陥落した歴史を持つ。この町には、19世紀のアルメニア教会や8世紀のモスクなども残っている。◇英名はCitadel, Ancient City and Fortress Buildings of Derbent

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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