イラン高原(読み)イランコウゲン(その他表記)Plateau of Iran

デジタル大辞泉 「イラン高原」の意味・読み・例文・類語

イラン‐こうげん〔‐カウゲン〕【イラン高原】

イランの主要部を占め、アフガニスタンパキスタン西部にまたがる平坦な高原降水量が少なく、カビール砂漠ルート砂漠が広がる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「イラン高原」の意味・読み・例文・類語

イラン‐こうげん‥カウゲン【イラン高原】

  1. アジア大陸西南部にある高原。標高五〇〇~一五〇〇メートル。イラン国土の大部分を占める。ルート砂漠カビール砂漠などの砂漠があり、塩湖尻無川(しりなしがわ)が多い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イラン高原」の意味・わかりやすい解説

イラン高原
イランこうげん
Plateau of Iran

西南アジアイランの中央部からアフガニスタンパキスタンの西部にかけて広がる高原。面積約 250万km2。そのうち約 150万km2がイラン領。平均標高は 900~1500m。北にエルブールズ山脈南西ザグロス山脈,東にヒンドゥークシ山脈が走っている。これらの古第三紀褶曲山脈に囲まれているため,高原内部海岸の影響を受けず,極端な大陸性の乾燥気候を呈する。そのためカビール砂漠ルート砂漠などの塩分の多い大砂漠が発達する。各褶曲山脈の山麓部にはオアシスが点在し,これらを縫って交通路が延びる。山麓部を除けば大部分が未開発。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「イラン高原」の意味・わかりやすい解説

イラン高原 (イランこうげん)
Iranian Plateau

西はティグリス,ユーフラテス川の谷から東はインダス峡谷まで,北はエルブルズ山脈から南はザーグロス山脈まで広がる高原。約260万km2。イランの約90%はこの高原上にあり,東ではアフガニスタンとパキスタンの一部が含まれる。大陸性気候降水量は少なく(年300mm以下)乾燥し,農業にはカナートなどを用いた灌漑を必要とする。中央部にはカビール,ルートなどの大砂漠,塩湖,ワーディー(涸れ川)がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「イラン高原」の意味・わかりやすい解説

イラン高原【イランこうげん】

イランのほぼ全域,アフガニスタン,パキスタン西部にまたがる西アジアの大高原で,総面積約260万km2。標高500〜2000m。北にヒンドゥークシ,エルブルズ,西にザーグロス山脈が接する。乾燥した大陸気候で,内部は雨量100mm以下,カナート灌漑(かんがい)が行われる。中央部のカビール砂漠,ルート砂漠は塩湖が多い。
→関連項目イラン

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イラン高原」の意味・わかりやすい解説

イラン高原
いらんこうげん
Plateau of Iran

北をアルボルズ山脈、南をザーグロス山脈に囲まれた、標高1000メートルを超える三角形の高原地帯。イラン国土の大部分を占める。中央アジアと西アジアの掛け橋として、古代から重要な歴史的役割を果たしてきた。冬季に若干の降水はみられるものの概して乾燥しており、年降水量は250ミリメートルに達しない。高原中央部にはカビール、ルートの二大砂漠が横たわっている。しかし渓谷部や砂漠周辺の天然オアシスのほか、カナート(集水暗渠(あんきょ))による人工灌漑(かんがい)が行われて集落形成を可能にしたため、テヘラン、シーラーズ、イスファハーンなどの主要都市が高原内部に多く存在している。

[香川優子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のイラン高原の言及

【イラン】より

…イランとペルシアの違いは自称,他称という別だけでなく,概念とニュアンスにおいて若干の相違がある。イランの概念は,(1)狭くイラン高原だけを指す地域概念,(2)1935年1月1日からパフラビー朝が正式に国号として定めたことによって一般化した国家概念,(3)文化・言語概念,の三つに分けることができる。このうち(1),(2)の概念は慣用としてペルシアと共通するが,(3)の概念はペルシアよりも広い意味で使われている。…

※「イラン高原」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android