二蔵(読み)ニゾウ

デジタル大辞泉 「二蔵」の意味・読み・例文・類語

に‐ぞう〔‐ザウ〕【二蔵】

仏教経典を二大別したもの。声聞しょうもん縁覚えんがくのために説かれた小乗教法の声聞蔵と、菩薩ぼさつのために説かれた大乗の教法の菩薩蔵。

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精選版 日本国語大辞典 「二蔵」の意味・読み・例文・類語

に‐ぞう‥ザウ【二蔵】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。
  2. 仏教の分類で、声聞蔵(しょうもんぞう)と菩薩蔵(ぼさつぞう)。小乗教徒である声聞・縁覚のために説かれた教法(声聞蔵)と、大乗教徒である菩薩のために説かれた教法(菩薩蔵)。
    1. [初出の実例]「二そうとは菩薩蔵、声聞蔵これなり」(出典:中院本平家(13C前)一〇)
    2. [その他の文献]〔大乗法苑義林章‐二〕
  3. 禅宗で、通例は結制・冬至に行なわれる秉払(ひんぽつ)で五人五座の問答が行なわれる時の五頭首(ちょうしゅ)の内の二人の蔵主(ぞうす)。東蔵主・西蔵主という。〔空華日用工夫略集‐永徳二年(1382)一一月一〇日〕

にぞうニザウ【二蔵・仁蔵】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代鍛冶屋徒弟などの通称
    1. [初出の実例]「志賀山の春ふいごふく風〈芭蕉〉 さざ浪や二蔵が袖にさえかへり〈信章〉」(出典:俳諧・桃青三百韻附両吟二百韻(1678))

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