食の医学館 の解説
いちにちのかるしうむのせっしゅのめやす【1日のカルシウムの摂取の目安】
たとえば、体重が60kgの人ならば、カルシウムは1kgほどに値します。その大部分は、骨や歯といった硬組織の成分となり、残りの少量が筋肉や神経、血液などの組織に配分されます。
生体およびその細胞のほとんどの機能に、カルシウムが関係しているといってもいいでしょう。
その所要量は、性別、年齢、妊娠期、授乳期などで異なります。以下に示したのはカルシウムを多く含む魚介食品のカルシウム含有量です。
成人は1日650~800mgの摂取が推奨されますが、吸収率が低下する高齢者は、1日800mgくらいは摂取したほうがいいという専門家もいます。
カルシウムを多く含む魚介食品は、
田作り(30gに750mgのカルシウムを含有)、干しエビ(10gに710mg)、煮干し(10gに220mg)、イワシのみりん干し(25gに240mg)、サケの水煮缶(1/2缶約45gに49.5mg)、オイルサーディン(20gに70mg)などです。
またカルシウムは、食品によって吸収率がちがってきます。牛乳や乳製品は約40%、小魚は33%、野菜類は19%。牛乳は、牛乳に含まれている乳糖やリジン、アルギニンといったアミノ酸がカルシウムの吸収を高めます。
魚などでカルシウムの吸収を高めるには、たんぱく質やビタミンC、D、酢を含む食材と食べ合わせるのがいいでしょう。小魚類は、カルシウムの宝庫ですが、塩分が濃いとせっかくのカルシウムも尿に排泄(はいせつ)されてしまいます。「塩分ひかえめ」な小魚を選ぶようにしてください。