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ATO装置 えーてぃーおーそうち

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ATO装置
えーてぃーおーそうち

列車自動運転装置automatic train operation deviceの略称。自動化の範囲についてはいろいろな説がある。[土田 廣]

狭義のATO

一編成の列車の運転、つまり起動、加速、定速運転、減速、駅ホームの定点での停止の自動化である。もっとも狭くは、(1)駅停車の場合、車上装置によって減速し、ホームの定位置に停止させる定位置停止機能、(2)指定された速度で運転する定速度運転機能、が必要であり、国鉄(現JR)で行った新幹線での走行試験では、(1)の停止精度は50センチメートル程度、(2)の定速度精度は時速4キロメートル以下の誤差であることが確認されている。さらにすこし範囲を広げて、計画運転時分と実際の運転状況を比較判断して速度を制御する定時運転機能を含める場合もある。[土田 廣]

広義のATO

前項の運転以外に次のようなものがある。
〔1〕発着番線から本線へ、本線から駅ホームへの進路の選択。これは、各駅での制御から、制御する駅が他の1、2の駅を制御するRC(remote control)、センターの表示盤上で列車群を追跡し、多数の駅の進路制御を行うCTC(centralized traffic control)と発展し、現在ではCTCをコンピュータが制御するPRC(programmed route control)となっている。
〔2〕保安を確保するための列車間隔の制御は、自動閉塞(へいそく)信号システムから、それとATS点制御方式の併用、さらにATS速度照査方式の導入を経て、列車が許容速度以内で走っているかどうかを検出し、もし超えていれば自動的にその速度まで減速させるATCへと進んだ。
〔3〕列車群の営業用ダイヤグラムの管理も広義のATOに含まれる。JRの在来線では、線区の列車管理責任者である列車指令が、一定時分の列車運行の遅延が生じた場合に、各駅の列車管理責任者と調整する方式をとっているが、新幹線や大手私鉄ではコンピュータでダイヤを管理している。
〔4〕旅客案内情報も、ホーム上にある列車の案内標、案内放送、列車の遅延情報の提供などで、現在では自動化が進んでいる。
 広義のATOは、これらのすべてを包含するものから、列車のドアの開閉まで制御するもの、さらにこのなかのいくつかの組合せと多様であるが、完全な広義のATOで運転されているものは少ない。世界で最初に全自動運転システムを導入したのは1972年のBART(サンフランシスコ通勤高速鉄道)で、120キロメートルの区間を、運転間隔90秒、最高速度毎時130キロメートルで運転している。また、世界最初の無人運転による地下鉄が1982年1月からフランスのリール市で運転を開始した。ゴムタイヤ式地下鉄VALで、12.7キロメートル、17駅を、営業運転速度毎時35キロメートル、運転間隔はラッシュ時1分、閑散時5分以内で、一方向につき毎時7000人を輸送している。日本でも自動運転システムの導入が進んでおり、東京の新交通システム「ゆりかもめ」など無人運転を行っているものもある。[土田 廣]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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