NMC(読み)えぬえむしー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「NMC」の意味・わかりやすい解説

NMC
えぬえむしー

国家気象中枢National Meteorological Centreの略称世界気象機関WMO)が構築する全球データ処理・予報システム(GDPFS:Global Data Processing and Forecasting System)のネットワークの一つ。世界気象機関に加盟する国(および地域)にあり、各国を代表する気象機関(気象庁や気象センター)がその役割を担う。気象に関する観測、予報や注意報・警報の発表、データ収集などを行い、その国の気象業務に関する国際的な窓口となり、各種気象データを加盟各国に提供し、各国から受け取った各種気象データを国内で必要な機関へ提供する。GDPFSのネットワークにより、国を越えた広域担当地域内の気象機関を支援する地域特別気象中枢(RSMC:Regional Special Meteorological Centre)などの世界の気象機関と通信回線でつながっている。

 日本では国土交通省外局である気象庁が担当しているが、たとえば、イギリス気象庁がビジネス・イノベーション・技能省(BIS:Department for Business, Innovation and Skills)の執行機関、アメリカ国立気象局は商務省海洋大気庁(NOAANational Oceanic and Atmospheric Administration)の部局であるなど、国によって組織形態が異なることはある。なお、日本の気象庁は、NMCの役目だけでなく、アジア地域における気象機関を支援するRSMCとしても機能している。

饒村 曜]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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