BSD(読み)びーえすでぃー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「BSD」の意味・わかりやすい解説

BSD
びーえすでぃー

カリフォルニア大学バークリー校が開発したUNIX(ユニックス)互換オペレーティングシステムOS)。Berkeley Software Distributionの略称である。AT&Tのベル研究所が1969年に開発したUNIXのコードと設計をベースに開発され、UNIXのマルチタスク、マルチユーザーという特徴を引き継いでいる。おもにワークステーションサーバー、汎用大型コンピュータのOSとして使用された。3BSD(1978年)からいくつかのバージョンを経て4.3BSD(1986年)に至り、各システムベンダーが販売するUNIXのベースとして広く採用された。もっともよく知られるものは、サン・マイクロシステムズ(2009年にオラクル社が買収)のSunOSである。カリフォルニア大学バークリー校では、4.3BSD以降、1990年代にAT&Tのソースコードに依存しないOSの開発を進め、最終的に4.4BSD-Lite2(1995年)でその開発を終了した。以後オープンソース化され、FreeBSDNetBSDOpenBSDなどの基盤となり、BSDに採用されたTCP/IPのコードがWindows(ウィンドウズ)に採用されるなどして、各方面影響を与えた。また、アップルMac OS X(マックオーエステン)もBSDをベースとするOSであり、現在も広く応用されている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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