electronic data processing systemの略称。コンピュータを中心とした機械的データ処理システムをいい、本来PCS(punched card systemの略称)に対して用いられたもの。PCSは、コンピュータ出現以前の穿孔(せんこう)カードを媒体としたデータ処理方式で、穿孔機、検孔機、分類機、計算穿孔機、製表機などの独立した機械群からなる。データは穿孔カードにパンチされ、処理の中間結果も穿孔カードにパンチされて次の機械へ受け渡され、記録、整理、照合、集計、作表という種類の事務や統計などの処理を行った。これに対しEDPSでは、データを磁気テープ、磁気ディスク装置などの、機械的に記録・読み書きの可能な装置に保存し、処理をコンピュータの中央処理装置によって行わせた。
EDPSは、中央処理装置、主記憶装置、磁気ディスク記憶装置、磁気テープ装置、キーボード付き端末器(機)、印刷機、各種制御装置などの構成要素からなるセットである。処理能力、速度ともPCSに比べて優れているため、事務処理に導入されると、急速にPCSにとってかわるようになった。その後、グラフィックス関係の機器や、通信回線を経由した遠隔地の装置との接続など、規模も大きく、内容のバラエティーも豊富になった。EDPSは、従来から計算機を用いた事務処理システムを意味することが多かったが、その適用業務は会計や経理業務ばかりでなく、営業や各種の管理業務などにまで拡張された。
[石井 博]
コンピュータを使ったオフィス業務の改革はEDPS以降も続き、業務システムを経営に活かすためのMIS(経営情報システム)、経営判断のためのDSS(意志決定支援システム)、複数の端末を同時に使用して業務を行うTSS(タイムシェアリングシステム)、情報システムを経営戦略に活用するためのSIS(戦略的情報システム)、業務を分析し最適化するBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)などへと広く発展していった。
[編集部]
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