日本大百科全書(ニッポニカ) 「機械化会計」の意味・わかりやすい解説
機械化会計
きかいかかいけい
mechanized accounting
会計業務の一部または全体を、各種の会計機械を利用して行うシステムをいう。日本における会計機械の普及は第二次世界大戦後のことである。具体的には、記帳式会計機、穿孔(せんこう)カード式会計機および電子式会計機が登場し、相次いで会社に導入された。これらの会計機械普及の直接的な動因は、事務処理方法の改善が求められたことによる。
記帳式会計機は、タイプライターと計算機を結合したものであり、記録・計算・転記を一操作で行う機械である。この種の機械では、打鍵(だけん)の結果がただちに記録となって現れるという特徴を有する。
穿孔カード式会計機は、穿孔カード(パンチカード)とよばれる特殊なカードを媒介として記録・計算・分類などの事務処理を行う会計機械である。穿孔カード式会計機を構成する機械は穿孔機、分類機および会計機である。穿孔機は穿孔カードに穿孔を施し、分類機は穿孔カードを分類し、そして会計機は穿孔カードから文字または数値を読み取り、これを所定の用紙に印刷する。
電子式会計機は、電子データを自動的に分類・整理・計算・記録させる機械である。スピード化、自動化の徹底をその特徴とする。コンピュータ・ハードウェアに会計ソフトウェアがインストールされたものも、電子式会計機に含まれるといえるであろう。
[湯澤晃明 2022年12月12日]