紛争終結後も民間人の生命や身体などを脅かし続ける不発弾や遺棄弾の総称。explosive remnants of warの略で、日本では爆発性戦争残存物と訳されている。親爆弾から数百個以上の子爆弾が飛散し、不発比率が高いクラスター爆弾のほか、空から投下されたり撃ち込まれたりしたものの、爆発せずに地中・地表・海中などに残った通常型爆弾、砲弾などが含まれる。
1983年12月に発効した特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)では、非人道的な効果を有する特定の通常兵器の使用を禁止または制限している。この条約にはⅠ~Ⅴの附属議定書がついており、議定書Ⅴ(2006年発効)ではERW被害を減らすための原則や、ERWの関与国と被害国が協力して除去に取り組むこと、ERWの使用記録の保存・提供義務などが定められており、法的拘束力をもつ。日本はこれについては未締結であるが、ERWの一つであるクラスター爆弾の使用・貯蔵・生産・移譲などを全面的に禁じたクラスター爆弾禁止条約(オスロ条約、2010年発効)は批准済みである。しかし、アメリカ、ロシア、中国、インドなどの軍事大国は批准していない。
国際非政府組織ハンディキャップ・インターナショナル(本部はブリュッセル)は2006年、過去30年間のクラスター爆弾による犠牲者は少なくとも世界で1万1000人を超え、被害者のおよそ4分の1が子供で、世界には約3300万個以上の不発弾が残っているとの調査結果を発表した。ERWのある地域では誤って接触した子供などの被害が後を絶たず、紛争後の復興が遅れるだけでなく、長期にわたってERWが産業や観光などの経済活動の妨げとなっている。
[編集部]
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