日本大百科全書(ニッポニカ) 「タブ」の意味・わかりやすい解説
タブ
たぶ
tab
航空機の主操縦翼面(方向舵(ほうこうだ)、昇降舵、補助翼)の後端に丁番(ちょうつがい)止めされて操縦翼面の働きを補う可動式の小翼。形式や用途によっていくつかの種類がある。〔1〕トリム・タブ 長時間にわたって飛行機の姿勢を維持しようとするとき、一定の舵角を操縦力ゼロで保たせるために用いる。操縦桿(かん)や方向舵ペダルとは別の系統で操作する。〔2〕サーボ・タブ(コントロール・タブ) 大型機で操縦士の操舵力を補うもので、直接翼面を動かさずタブを操作して空力的な力を生じさせて舵面を動かす。〔3〕バランス・タブ 操舵力を調整するために用いられ、操縦翼面と逆の方向に動いて操舵力を軽くするが、逆に舵(かじ)の効きを高めたり操舵を制限するために重くするものもある(この場合はアンチバランス・タブという)。〔4〕スプリング・タブ バランス・タブの一種で、主として大型機に用いられ、タブは低速時にはスプリングで押さえられて作用しないが、高速時はバランス・タブとして働いて操舵力を軽くし、飛行速度に適した操舵力を与える機能をもつ。〔2〕以下の三つのタブはトリム・タブと違って、操縦桿や方向舵ペダルに直接結ばれている。
[落合一夫]