ブラウザ(読み)ぶらうざ(英語表記)browser

翻訳|browser

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラウザ」の意味・わかりやすい解説

ブラウザ
ぶらうざ
browser

データを閲覧するためのアプリケーション。一般的にはウェブブラウザをさす。ブラウズbrowseには、拾い読みするという意味がある。ウェブブラウザは、インターネットを構成するシステムの一つであるWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)を利用して、文書などを表示するためのアプリケーションの総称である。Internet Explorer(インターネットエクスプローラー)(IE)、Mozilla Firefox(モジラファイアフォックス)、Opera(オペラ)、Safari(サファリ)、Google Chrome(グーグルクローム)などがある。

 ウェブブラウザは、ウェブサーバー上にあるデータを閲覧する場合に使用するアプリケーションであるため、クライアント側のパソコンで利用する。基本的な機能としては、必要なデータが格納されている場所を特定する、ウェブサーバーにデータの発信などを要請する、送られてきたデータを受信してわかりやすく表示する、などがあげられる。一方のウェブサーバー側では、蓄積したデータを送信するだけでなく、クライアント側の指示に従ってサーバー上でプログラムを動かしその結果を送信するという動作を行っている。

 インターネットで使われるプロトコルには、WWW以外にも、リモート操作のtelnet(テルネット)、電子メールのSMTPPOP、ファイル転送のFTPチャットIRC、ネットニュースのNNTPなどがあり、これらもウェブブラウザを介して利用可能である。

 かつてのウェブブラウザは一つの情報を一つのウィンドウに表示していたが、一つのウィンドウに複数のページを表示して、タブとよばれる小さな見出しを使って切り替えながら閲覧するタブブラウザ主流となっている。

 ウェブブラウザで使われている主要な構成要素に、レンダリングエンジンがある。これは、ウェブサーバーから送られてきたHTML、CSS、JavaScript(ジャバスクリプト)などのデータを解釈して画面に表示するプログラムで、その種類によって機能や速度などが異なる。2014年時点で、IEはTrident(トライデント)、FirefoxはGecko(ゲッコー)、SafariはWebKit(ウェブキット)、OperaとGoogle ChromeはBlink(ブリンク)というレンダリングエンジンを使っている。また、主要なブラウザのレンダリングエンジン部分を流用できるブラウザもある。Blinkエンジンを搭載しながら、IEのTridentに切り替えて使える国産のSleipnir(スレイプニル)などがよく知られている。Firefoxにも特定のタブをIEのレンダリングエンジンで表示するアドオンが用意されている。ウェブブラウザ以外にも、画像ファイルなどを一覧表示する専用アプリケーションをブラウザとよぶこともある。

[黒川武広]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブラウザ」の意味・わかりやすい解説

ブラウザ
browser

一般には情報を閲覧する(ブラウジング)ためのソフトウェアをいうが,特にインターネットワールド・ワイド・ウェブ WWWを表示するソフトウェアをウェブブラウザあるいは単にブラウザと称する。ブラウザは,WWWのページをダウンロードしてそこに記述された HTMLという言語を読み取り,その指示に従ってデータを画面上に配置する。1991年 WWWの創始者であるイギリスのティム・バーナーズ=リーによって文字情報を対象とするブラウザが発表された。1993年アメリカ合衆国のイリノイ大学にある国立スーパーコンピュータ応用研究所 NCSAのマーク・アンドリーセンらが「モザイク」と呼ばれる画像や文字テキストを文書中に混在できるブラウザを発表し,WWWは急速に普及した。1994年「モザイク」の後継である「ネットスケープ・ナビゲータ」が発表されてブラウザの主流となり,翌 1995年マイクロソフトの「インターネット・エクスプローラー」が登場した。以後,さまざまなブラウザが開発されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報