NICU(読み)えぬあいしーゆー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「NICU」の意味・わかりやすい解説

NICU
えぬあいしーゆー

低出生体重児先天性疾患をもつ新生児などの集中治療や特殊治療を行う、病院の特殊診療部門。neonatal intensive care unit(新生児集中治療室)の略称。新生児ICUともよばれる。早産児や低出生体重児(超低出生体重児、極低出生体重児)、呼吸循環不全など胎児機能不全胎児仮死、胎児ジストレス)、先天性心疾患などのハイリスク疾患、重症感染症などを伴う新生児が対象となる。設備としては、低出生体重児用の保育器、常時モニターするための呼吸循環監視装置や人工換気装置などを備え、専属の医師や看護師および医療スタッフが、24時間体制で治療やケアにあたる。

 母体内の胎児期から出生後の新生児期まで一貫した医療と管理を行うために、ハイリスク妊娠(日本産婦人科学会の定義で、母児のいずれか、または両者に重大な予後不良が予想される妊娠)などを管理する母体・胎児集中治療管理室(MFICU:maternal-fetal intensive care unit)、危機的状況を脱した新生児を管理する部門なども併設され、周産期(妊娠22週から生後7日未満の出産前後)をカバーする、周産期母子医療センターの中核部門として機能していることが多い。なお、新生児以降の小児集中治療室はPICUとよばれる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例