日本の自動車技術240選 「KD2,3」の解説
KD2,3
製作(製造)年1938
製作者(社)鐘淵デイゼル工業株式会社日本デイゼル工業製
資料の種類KD2型量産品ND6型及び鐘淵デイゼル工業製KD2型カットモデル
現状非公開
型式KD2,3
種類ディーゼル
会社名日本デイゼル工業㈱(現 日産ディーゼル工業㈱)
用途大型トラック・バス、ブルドーザ
実物所在KD2のみ有り
搭載車種LD1型トラック、TT9型トラック、KB3B型ボンネットバス、BR30型リヤエンジンバス
製作開始年1938
設計者ユーゴーユンカース博士
シリンダ配列・数垂直対向直列3
サイクル/冷却方式2/水冷
弁型式/数吸排気ポート式16/12個
燃焼方式直接噴射
燃焼室上下対向ピストン平頭
内径×行程85x(下方ピストン144+上方96)
圧縮比17:1
質量(重量)650/550kg(KD3/2)
寸法1452x742x1111(KD3)
噴射ノズル開放式衝突弁
最高出力/回転数KD3:66.2kW[90PS]/1500rpm; KD2:44.1kW[60PS]/1500rpm
最大トルク/回転数KD3:480.5Nm[49kgm]/1100rpm; KD2:304.0Nm[31kgm]/1100rpm
燃料消費率271.8g/kWh[200g/PSh]/1250rpm
排気ガス対応なし
過給機形式なし
インタークーラーなし
可変装置なし
エピソード・話題性自動車用ディーゼルエンジンとして世界で初めてトラックに搭載され実用化された直接噴射式エンジン(1926年)。
特徴無気噴射式燃料噴射ポンプを採用しユンカースの航空機用ユモ ディーゼルエンジンと親類関係にある。クルップ・ユンカースの特許を導入、国産化の上製造したもの。気筒数を変えることによりバランスが良い系列エンジンが形成されやすいという2サイクル特有の特徴がある。
参考文献長尾不二夫、阿知波二郎「対向ピストン型車両用2サイクルヂーゼル機関の性能(Ⅰ、Ⅱ)」機械及び電気 第8巻9号P.1-8、同10号P.1-6、1943.9.10阿知波二郎、富塚清「バス・トラック用2サイクルディーゼル機関衰退の原因」内燃機関Vol.30、No.185、P.29-36、1976.10大塚新太郎、石原荘一「わが国における2サイクル自動車エンジンの変遷(5)日産ディーゼル工業㈱」内燃機関Vol.30、No.376、P.36-44
その他事項通称名:KD2、3;協力者:ドイツ クルップ社;吸気方式:自然吸気;点火方式:圧縮;燃料供給方式:ユンカース無気噴射式プランジャポンプ(自家製);掃除ポンプ種類:往復ピストン直結 直径x行程 210x96;掃気方式:一方流ポート掃・排気;KD3-4.086、KD2-2.724L;比出力:16.2kW{22PS}/L;三元触媒:なし;トーショナルダンパ:ランカスタ式;吸気系:吸気サイレンサ;排気系:なし;
出典 社団法人自動車技術会日本の自動車技術240選について 情報