WTO農業交渉

共同通信ニュース用語解説 「WTO農業交渉」の解説

WTO農業交渉

WTO(世界貿易機関)の加盟国による、農業分野に関する交渉。2000年に始まり、農産物関税や、農業補助金などの国内助成がテーマとなってきた。国によって立場が異なるため、食料輸出国は関税引き下げと、助成削減を求める傾向がある。一方、日本を含む食料輸入国は、食料安全保障観点から、輸出規制の透明性向上への関心が高い。

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知恵蔵 「WTO農業交渉」の解説

WTO農業交渉

WTO(世界貿易機関)を舞台に進められている農産物の市場アクセスや輸出競争、国内支持のあり方について新しい枠組みを決めようとする交渉。2001年11月のドーハ閣僚会議で始まった新ラウンド一部で、最も対立の激しい分野。04年7月に交渉の大枠が合意されたが、05年12月の香港閣僚会議やその後の各種非公式交渉でも前進が見られず、06年7月24日にラミー事務局長により凍結宣言が出された。07年に入って交渉が非公式に再開されたが、米国議会に対して、政府が合意した通商交渉の内容について一括承認を求めることのできるファストトラック権限を大統領に与える貿易促進権限法が7月1日に失効したために交渉の行方を懸念する声が強い。それでも農業交渉グループのファルコナー議長は7月17日に通算3回目のモダリティー案を提示し、07年内の妥結を目指している。主な対立点は、撤廃の決まっている輸出補助金(輸出信用や一部の食料援助を含む)の範囲と撤廃時期、国内補助金の削減率、高率関税ほど削減幅を大きくする階層方式それぞれの引き下げ率と平均削減率、緩やかな関税削減を認める重要品目の数、高率関税を防ぐための上限関税の是非など多岐にわたっている。農業分野に加えて、07年6月21日に米国、EUブラジルインドのG4閣僚会合が決裂する原因となった非農産品(NAMA)の市場アクセス改善やサービス貿易、途上国支援など多くの対立が残るため、07年度中にドーハラウンドの包括合意が成立するかどうかは予断を許さない。

(池上甲一 近畿大学農学部教授 / 2008年)

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農林水産関係用語集 「WTO農業交渉」の解説

WTO農業交渉

WTO農業協定20条の規定に基づき、2000年3月に開始。2001年11月に立ち上げられた新ラウンドの一部として交渉が行われている。2004年7月にジュネーブで開催された一般理事会において、農業分野を含め、枠組み合意がなされた。

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