フランスの作家メリメの中編小説。1840年刊。作者のコルシカ旅行の産物というべき作で、土地独特の復讐(ベンデッタ)の風習に取材し、少女のうちに宿るすさまじいまでの復讐(ふくしゅう)の執念を描く。コルシカの名家の娘コロンバは、父を謀殺したのは長年抗争関係にあるバリッチーニ一家と確信し、兄オルソの帰国を待って復讐を敢行しようと企てている。フランス帰りの兄は、確証がない限り血で血を洗う暴挙には同意できぬと説くが、コロンバの努力(ないし策略)によって相手の非が明らかになる。おりから敵(かたき)の家の兄弟の待ち伏せにあったオルソは、傷つきながらも2人を倒し、コロンバの念願は成就する。物語は、コルシカを訪れるイギリス人大佐父娘とオルソの邂逅(かいこう)に始まり、オルソと令嬢の結婚で締めくくられる額縁つきの構成をとる。
[冨永明夫]
『杉捷夫訳『コロンバ』(岩波文庫)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…こうした人びとがしばしば島内のマキに隠れすみ,〈山賊〉化し,19世紀のロマン主義的風潮のなかで,ときに,義賊,英雄のイメージで描かれた。メリメの作品《コロンバ》(1840)や《マテオ・ファルコーネ》(1829)はとくに有名である。 第2次世界大戦においてフランスがドイツの占領下に置かれたとき,占領支配を逃れ,またそれに抵抗した者たちが多く山や森に隠れた。…
※「コロンバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新