透明媒質中を高速荷電粒子が通過するときに光が放出される現象。1934年にソ連のP.A.チェレンコフによって予言され,37年にI.タムとI.フランクによって理論的に確かめられた。粒子速度vがその媒質中の光の位相速度(真空中での光速度cを媒質の屈折率nで割ったもの)より大きくなる周波数領域でのみ光が放出され,この放射をチェレンコフ放射Cherenkov radiationと呼ぶ。水中の原子炉燃料棒付近に見られる青白い光はこの放射の一例である。チェレンコフ放射は,粒子の運動方向から測って,角度θをなす円錐方向に放出される(θはcosθ=c/n・vで与えられる)。媒質のnが知られていればθを測ることによって粒子速度を決めることができる。この放射を利用した荷電粒子検出器をチェレンコフ計数管(チェレンコフ・カウンター)と呼ぶ。チェレンコフ放射は高速荷電粒子の作るポテンシャル中での媒質からの光放出であり,制動放射やシンクロトロン放射とは原理的にまったく異なる放射である。
執筆者:菅 滋正
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