日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブライス」の意味・わかりやすい解説
ブライス
ぶらいす
1st Viscount James Bryce
(1838―1922)
イギリスの政治家、政治学者。アイルランドのベルファストに生まれる。オックスフォード大学トリニティ・カレッジ卒業。1862年にオウリアル・カレッジのフェロー、1870年には、オックスフォードのローマ市民法王立講座担当教授となり、1893年までその地位にあった。主要な著作は、『神聖ローマ帝国』The Holy Roman Empire(1864)、オックスフォードでの講演『歴史・法学研究』Studies in History and Jurisprudence(1901)、アメリカ政治についての体系的研究『アメリカ共和国』The American Commonwealth(1888)、民主政治に関する古典的名著『近代民主政治』Modern Democracies(1921)など。またアクトンとともに1885年に『イングリッシュ・ヒストリカル・レビュー』を創刊。政界でも早くから活躍し、晩年には駐米大使として英米関係に重要な役割を果たした。
[柴田平三郎]
『松山武訳『近代民主政治』全4巻(岩波文庫)』