表紙や挿絵にアニメ風のイラストを載せた若者向けエンターテインメント小説。会話文が多く、手軽に読めるのが特徴。ラブコメディーのほか、ファンタジーやSFの要素を含む作品が多い。近年市場が拡大し、日本の文庫本の5冊に1冊がライトノベルという状況を生んだ。2000年代には
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小説の分類の一つ。SFやホラー、ミステリー、ファンタジー、恋愛などの要素を、軽い文体でわかりやすく書いた若者向けの娯楽小説をいうが、明確な定義はない。英語のlight(軽い)とnovel(小説)を組み合わせた和製英語であるが、「軽い」という訳については異論もある。略してラノベともいう。文庫版や新書版の判型をとった比較的安価な本が多いことが特徴の一つで、アニメのような絵が表紙や挿絵にふんだんに使われていることが多い。アニメやコミック化、ゲームソフト化、音楽、インターネットを活用した宣伝などのメディアミックスが積極的に行われ、著名漫画家やミュージシャンの起用も盛んである。電撃文庫や富士見ファンタジア文庫(いずれも角川グループ)、スーパーダッシュ文庫(集英社)、HJ文庫(ホビージャパン)、ガガガ文庫(小学館)などの文庫シリーズが有名である。
1988年(昭和63)に刊行された角川スニーカー文庫と富士見ファンタジア文庫がライトノベルの草分け的存在といえ、100万部を超えるベストセラー作品もあり、人気作家を多数輩出している。谷川流(たにがわながる)(1970― )の「涼宮(すずみや)ハルヒ」シリーズ(角川スニーカー文庫)は、発行済みの全11作品の累計で部数は850万部を超えている(2012年5月時点)。また、角川書店スニーカー大賞、小学館ライトノベル大賞、ソフトバンクGA文庫大賞など、ライトノベルを対象とした文学賞も多くつくられている。2008年(平成20)に『私の男』で第138回直木賞を受賞した桜庭一樹(さくらばかずき)(1971― )のように、ライトノベル出身で純文学や大衆小説のジャンルで活躍する作家も増えている。
[編集部]
(村上信明 出版流通ライター / 2008年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
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