仮想化(読み)カソウカ(その他表記)virtualization

デジタル大辞泉 「仮想化」の意味・読み・例文・類語

かそう‐か〔カサウクワ〕【仮想化】

[名](スル)コンピューターネットワークシステム構成するハードウエアなどを、その物理的構成によらず、統合したり分割したりして利用する技術複数ハードディスクを統合的に連携し、あたかも1台のハードディスクであるかのように扱うことで、大容量化したり耐障害性を高めたりするほか、1台のサーバーを複数台のコンピューターであるかのような機能に分割し、運用効率を高めるといった目的で利用される。バーチャライゼーション

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「仮想化」の意味・わかりやすい解説

仮想化
かそうか
virtualization

物理的構成とは無関係に、コンピュータやネットワーク機器などを擬似的に分割、統合すること。仮想化ソフトウェアを使用して、たとえば1台のサーバーコンピュータを複数のコンピュータとして論理的に分割し、異なるオペレーティングシステムOS)やアプリケーションを立ち上げて同時に動作させたり(サーバー仮想化)、コンピュータ・ネットワーク上にある複数の外部記憶装置をあたかも一つの大きなストレージとして機能させて、大容量のデータを一括して保存したりする(ストレージ仮想化)ことも可能である。こうしたサーバーやストレージの仮想化ばかりでなく、ゲーム機器やネットワークなどについても仮想化は広く実行されている。仮想化によるメリットとしては、ハードウェアを効率的に利用できることから、運用コスト削減や開発期間の短縮が図れることなどがある。しかし、仮想化ソフトウェアそのものがハードウェアの処理能力の一部をつねに使用しているため、仮想化しようとする機器の規模や性能によっては、高速、高性能のハードウェアが不可欠になることや、サーバー仮想化の場合にはライセンス契約や通信の流れが複雑化し、管理者に専門的な知識が求められるといった制約もある。

[編集部]

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IT用語がわかる辞典 「仮想化」の解説

かそうか【仮想化】

各種ハードウェアを仮想的に統合したり分割したりすることで、単体または複数のハードウェアとして利用する技術の総称。コンピューターネットワーク上にある複数のストレージ(外部記憶装置)を1台のストレージとみなして集中管理をしたり、利用効率が低い複数のサーバーの代わりに1台のサーバーを分割して、あたかも複数のサーバーであるかのように運用したりする。◇「バーチャライゼーション」ともいう。

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世界大百科事典(旧版)内の仮想化の言及

【仮想機械】より

…コンピューターにおいて,ハードウェアが実際にもっている物理構造を,適当な変換機構を介在させることにより,プログラムを作成する利用者にとってつごうのよい別の論理構造をもつものとみなせるようにすることを,ごく一般的に仮想化という。この考え方により,特定のハードウェアによって実現されているコンピューターの一般化,共通化が行われている。…

※「仮想化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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