環式化合物のうち,炭素原子が互いに結合して環をつくっているものをいう。炭素原子以外の原子も環に含まれている複素環式化合物とともに,環式化合物の世界をつくる。炭素環式化合物は,脂環式化合物と芳香族化合物に大別される。芳香族化合物は,ベンゼン環あるいはベンゼン環が縮合した環を含むものだけではなく,アヌレンやフルベンなどの非ベンゼン系芳香族化合物を含む。脂環式化合物には,シクロヘキサンのような飽和化合物もシクロヘキセンのような不飽和化合物も含まれる。
環をつくる炭素の数に応じて,3員環,4員環などと呼ぶ。ジャコウネコの分泌物シベットの主成物シベトンは17員環化合物である。
デカリンやステロイド骨格などの多環式化合物もある。
脂環式化合物の構造式では通常,炭素原子,水素原子を省略して書くが,立体化学において化学構造を明示するために必要な場合は,炭素原子あるいは水素原子を示すことがある。
執筆者:竹内 敬人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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環をつくる原子が炭素だけからできている環式化合物.脂環式化合物と芳香族化合物とに分けられる.複素環式化合物に対する用語.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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