痴漢(読み)ちかん

精選版 日本国語大辞典 「痴漢」の意味・読み・例文・類語

ち‐かん【痴漢】

〘名〙
① 愚かな男。ばかもの。たわけもの。
洒落本・繁千話(1790)「調唇弄舌をまじえてちかんのごとくとりあつかふから、ぐっとかけだしさ」
花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉四六「痴漢(チカン)愚婦の間に一才子に逢ふは恰も砂漠の中に清水を得るが如しと」 〔北史‐斉文宣紀〕
② 女性にみだらな行為をする男。
※夜と日の暮(1949)〈中野重治〉「それが警察用の隠語か何かかと思ったが、『痴漢』だとわかるといっそういやな気がしてきた」

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デジタル大辞泉 「痴漢」の意味・読み・例文・類語

ち‐かん【痴漢】

[名](スル)
女にみだらないたずらをしかける男。
みだらないたずらをすること。痴漢行為。「痴漢をして逮捕される」
ばかな男。おろかもの。しれもの。
秋毫とるべき所なきの―たり」〈菊亭香水・世路日記〉
[補説]12について、「漢」は男の意だが、法律上では男女ともに罰の対象となる。

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普及版 字通 「痴漢」の読み・字形・画数・意味

【痴漢】ちかん

ばか者。〔北史、裴謁之伝〕少(わか)くして志り。直言を好む。宣末年昏縱、臣の言罕(まれ)なり。之、上書正諫し、言甚だ切直なり。宣將(まさ)に之れをさんとし、白頭に臨む。之、辭色變せず、曰く、癡何ぞ敢て此(かく)の如きと。

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