褌祝(読み)ヘコイワイ

デジタル大辞泉 「褌祝」の意味・読み・例文・類語

へこ‐いわい〔‐いはひ〕【×褌祝(い)】

九州で、男女13歳前後に行う成年式男児ふんどし女児は腰巻きを初めて着ける。ふんどし祝い。たふさぎ祝い。

たふさぎ‐いわい〔‐いはひ〕【×褌祝(い)】

ふんどしいわい

ふんどし‐いわい〔‐いはひ〕【×褌祝(い)】

男子が、13歳前後に行う成年式。親類などから贈られた褌を締める祝い。へこ祝い。

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精選版 日本国語大辞典 「褌祝」の意味・読み・例文・類語

ふんどし‐いわい‥いはひ【褌祝】

  1. 〘 名詞 〙 男子の成人の祝いとして、褌を締めること。地方により行なう年齢がことなる。へこ祝。たふさぎいわい。

へこ‐いわい【褌祝】

  1. 〘 名詞 〙ふんどしいわい(褌祝)

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改訂新版 世界大百科事典 「褌祝」の意味・わかりやすい解説

褌祝 (ふんどしいわい)

農漁民間における男子成年式の一名称。ヘコ祝ともいう。往時の成年式にさいしては,幼年期とは異なるさまざまな服飾がほどこされ,褌祝,烏帽子祝,前髪祝などのごとく,それらの中でもきわだった服飾の儀礼にちなむ呼称が成年式名として用いられることが多かった。褌祝は,成年式のおりに親類などから褌を贈られ,初めて締めて祝うことにちなんでいる。年齢は数え年13歳ころが多く,早いもので9歳という例もある。褌の着用は性の成熟を象徴するが,オバクレフンドシと称して,伯叔母から褌を贈られる慣習には,伯叔母と甥との間に,かつて単なる象徴以上の関係があったことを推測させる。成年式のころに,地域の適当な男子に褌親を依頼する地方もあった。その場合は,他人の男子から褌をもらうわけであり,その擬制的な親子関係は生涯にわたって親密に続けられた。
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