飛梅(読み)トビウメ

デジタル大辞泉 「飛梅」の意味・読み・例文・類語

とび‐うめ【飛(び)梅】

菅原道真大宰府だざいふに左遷されるとき、大切にしていた庭の梅の木に「東風こち吹かば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春を忘るな」の一首をかけて去ったところ、その梅の木が道真を慕って、大宰府にまで飛んで行ったという故事。また、その故事にちなんだ、太宰府市安楽寺の梅。

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精選版 日本国語大辞典 「飛梅」の意味・読み・例文・類語

とび‐うめ【飛梅】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 菅原道真が大宰府に左遷されて京の家を出る時、平生愛していた梅の木に「東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花主なしとて春を忘るな」との歌を詠んだところ、その梅の木が後に大宰府に飛んで行き、そこで生え匂ったという故事。また、太宰府天満宮にある、その言い伝えのある梅の木。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「安楽寺の飛(トビ)梅を、〈略〉枝ををりたりける其夜の夢に」(出典:梵舜本沙石集(1283)五末)
  3. 香木の名。分類新伽羅(きゃら)。香味は苦辛酸甘。六十一種名香の一つ。
    1. [初出の実例]「一 飛梅(トビウメ)、いまだ本銘きき不申候」(出典:建部隆勝香之筆記(香道秘伝所収)(1573))

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