アメリカン・リーグ(読み)あめりかんりーぐ(英語表記)American League

翻訳|American League

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アメリカン・リーグ」の意味・わかりやすい解説

アメリカン・リーグ
あめりかんりーぐ
American League

アメリカのプロ野球リーグ頂点にたつ、大リーグメジャー・リーグ)の一つ。1876年創設のナショナル・リーグ(ナ・リーグ)に対抗すべく、1900年に元新聞記者のバン・ジョンソンが中心となり、当時シンシナティ・レッドストッキングス監督のチャールズ・コミスキーらが協力してアメリカン・リーグ(ア・リーグ)が結成された。翌1901年からリーグ戦が始まり、当初は大都市に本拠地を置くボルティモアボストンシカゴクリーブランドデトロイトミルウォーキーフィラデルフィアワシントンの8球団で構成された。

 その後、1950年代にチームの本拠地移転などでリーグ全体の人気が高まると、1961年に大リーグ史上初の球団数拡張を行い、ワシントン・セネタース(現、テキサス・レンジャーズ)、ロサンゼルス・エンゼルス(現、ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム)両球団が増えて10球団となった。続いて、1969年にカンザスシティ・ロイヤルズとシアトル・パイロッツ(現、ミルウォーキー・ブリュワーズ)の2球団が増えて12球団となり、同時に東西6球団ずつの地区制を採用した。さらに、1977年にトロント・ブルージェイズシアトル・マリナーズ両球団が増え、東西7球団ずつの14球団へ拡張。1994年には地区再編成を行い、東地区5球団、中地区5球団、西地区4球団の3地区制となった。そして、1998年にブリュワーズがナ・リーグへ移り、そのかわりに新興球団のタンパベイ・デビルレイズ(現、タンパベイ・レイズ)が誕生した。

 ナ・リーグに比べて、ア・リーグは歴史が浅いので、俗に「ジュニア・サーキット」とよばれる。また、伝統的なナ・リーグに対抗すべく、いくつか斬新(ざんしん)なアイデアを打ち出し、1973年には「投手は打席に立たずに打撃専門のバッターを起用する」という指名打者制度(DH制)を採用した。

[福島良一]

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百科事典マイペディア 「アメリカン・リーグ」の意味・わかりやすい解説

アメリカン・リーグ

米国プロ野球連盟の一つ。ナショナル・リーグとともにメジャー・リーグ(大リーグ)を構成。1900年創設。東地区,中地区,西地区に分かれ(ディビジョン),1シーズンのリーグ戦を戦う。このレギュラー・シーズンが終了すると,ワールド・チャンピオンを選ぶためのトーナメント戦が始まる。まず,各地区の1位と各地区2位チームの中で最高勝率の1チーム(ワイルドカード)の計4チームがプレーオフを行い,2チームによるリーグ・チャンピオンシップ戦を経て優勝チームがワールドシリーズへの出場権を得る。2013年現在15球団。→プロ野球
→関連項目コミッショナー

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世界大百科事典(旧版)内のアメリカン・リーグの言及

【アメリカ大リーグ】より

…アメリカ合衆国のプロ野球組織の頂点にはメジャー・リーグmajor league(大リーグ)があり,それは,アメリカン・リーグ(1900年創立,略称ア・リーグ)14,ナショナル・リーグ(1876年創立,略称ナ・リーグ)16の計30球団によって構成されている。 ア・リーグ,ナ・リーグともそれぞれ東部・中部・西部の3地区に分かれ,1シーズンのリーグ戦を戦う。…

【野球】より

…後2者はそれぞれ1年で解散され,92年以後はナ・リーグのみが残った。1900年,マイナー・リーグだった〈ウェスタン・リーグ〉が〈アメリカン・リーグ〉と改称し,翌年からリーグ戦を行ってナ・リーグと対立した。当時はそれぞれ8球団で,観客はナ・リーグが190万人,ア・リーグが170万人を動員し,上々のすべり出しだった。…

※「アメリカン・リーグ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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