イチゴ(苺)(読み)イチゴ(英語表記)Fragaria chiloensis var. ananassa; strawberry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イチゴ(苺)」の意味・わかりやすい解説

イチゴ(苺)
イチゴ
Fragaria chiloensis var. ananassa; strawberry

イチゴ広義にはバラ科のヘビイチゴオヘビイチゴシロバナノヘビイチゴなどの多年草や,カジイチゴナワシロイチゴフユイチゴなどの落葉小低木 (キイチゴ類) をさす。いずれも野生種で無毒,食べられるものも多い。また一般には,イチゴといえば栽培種のオランダイチゴ (ストロベリー) をさす。これは南アメリカ (チリチロエ島) 原産といわれるが,日本には天保年間 (1840頃) にオランダ人によってもたらされた。地下の根茎から多数のランナー (走出枝) を出してふえ,長い柄のある3出複葉の根生葉を密につける。春から夏にかけて,白色5弁の花をつける。果実は花床が肥大した偽果で,表面についているゴマのような粒が,めしべの変化したほんとうの意味の実である。果実をそのまま食べるほか,ジャムや菓子の原料に加工する。世界各国で改良され,多数の品種がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「イチゴ(苺)」の意味・わかりやすい解説

イチゴ(苺)【イチゴ】

オランダイチゴとも。バラ科の多年草。匍匐(ほふく)枝を出してふえる。花は白色5弁。食用にするのは花托が肥厚した部分で,表面に散在する粒状のものが種子。普通栽培のほか促成栽培,抑制栽培などがあるが,冬,石の保温性を利用した静岡県久能山ほかの石垣促成栽培は有名だがビニルハウスの普及で急激に減少した。家庭での栽培では,十分施肥した畑に9〜11月定植する。大粒で赤い〈福羽〉,中型で甘味,酸味の強い〈ダナー〉など品種も多い。生食するほか,菓子,ジャムやジュースに用いる。
→関連項目ヘビイチゴ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報