ジャム(英語表記)jam

精選版 日本国語大辞典 「ジャム」の意味・読み・例文・類語

ジャム

〘名〙 (jam)⸨ジャミ果実砂糖を加えて煮つめた、粘性の強い保存食品イチゴブドウリンゴ・モモ・オレンジアンズイチジクなどを用いる。パンに塗るなどして食べる。
読売新聞‐明治一〇年(1877)五月二九日「西洋風のジャム、桃李などの砂糖漬を製され」
※落語・無学者論(1894)〈禽語楼小さん〉「ヂャミを附けると甘過ぎて」

ジャム

(Francis Jammes フランシス━) フランス詩人技巧をさけ、自然の姿そのものが詩だとし、田園風物などを題材とした純朴な詩を作った。「明けの鐘から暮れの鐘まで」「桜草の喪」など。(一八六八‐一九三八

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デジタル大辞泉 「ジャム」の意味・読み・例文・類語

ジャム(Francis Jammes)

[1868~1938]フランスの詩人。田園の風物・人々を平明にうたった。詩集夜明けの鐘から夕べの鐘まで」「キリスト教徒の農事詩」など。

ジャム(jam)

《詰め込む、押し込むの意から》コピー機プリンターの内部で用紙が詰まること。ペーパージャム
ジャムセッション」の略。

ジャム(jam)

果実に砂糖を加えて煮詰めた保存食品。多く、イチゴ・リンゴ・ミカン・ブドウ・アンズ・木イチゴ類などを用いる。コンフィチュール。

ジャム(Jammu)

ジャンム

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジャム」の意味・わかりやすい解説

ジャム
jam

果実の果肉をつぶし,砂糖を加えて加熱濃縮して,果実に含まれている酸とペクチンによってゼリー化させた製品。果肉のまま,あるいはその一部が原形を保ったまま製品化したものをプレザーブともいう。ジャムの原料としてはいちご,りんご,あんず,みかん,桃,いちじく,ぶどう,すももなど各種の果実が用いられる。果皮,果芯のあるものはまずこれを除いて細かく切るか,あるいはつぶす。次いで,汁液の多いものはそのまま,少いものには水を加えて十分に煮熟し,りんごなどの場合は裏ごしする。これに砂糖を加えてさらに煮熟濃縮する。砂糖の添加量は原料の種類,熟度によって異なるが,砂糖と原料の混合割合はほぼ等量ぐらいが適当とされる。工場製品はできあがりの糖度規格 (糖度 65%以上) が定められているが,家庭用はそれぞれ好みによる。ジャムは貯蔵性をもった食品であるが,糖度 55%以下では長期の貯蔵は期待できない。ジャム製品がゼリー化してくるのは製品中の砂糖,ペクチン,有機酸の量が一定の割合で存在する場合で,いちごジャムを製造する場合にはペクチンを補うことが多い。酸度も 0.3~0.5%ぐらいが適量で,酸が不足する場合はクエン酸,酒石酸,リンゴ酸などを加える。最近では加熱だけでなく,超高圧をかけてつくられることもある。

ジャム
Jammes, Francis

[生]1868.12.2. オートピレネー,トゥルネー
[没]1938.11.1. バスピレネー,アスパレン
フランスの詩人。 1891年頃から詩集を出しはじめ,徐々に初期の厳格な詩形を捨てて自由で柔軟な作詩法に向い,マラルメに認められた。『暁の鐘から夕べの鐘まで』 De l'Angélus de l'aube à l'Angélus du soir (1898) で独自の詩境を開拓,平明で飾り気のない詩句で,生涯の大半を過したアスパレンの自然や風俗,素朴な生活者の感慨を歌った。『クララ・デレブーズ』 Clara d'Ellébeuse (99) などの感傷的な小説もあるが,1905年カトリックに改宗してからは,敬虔な宗教的雰囲気に満ちた詩集『空のすきま』 Clairières dans le ciel (1906) ,『キリスト教農耕詩』 Les Géorgiques chrétiennes (11~12) などを著わした。

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事典 日本の大学ブランド商品 「ジャム」の解説

ジャム

[加工食品]
千葉大学(千葉県千葉市稲毛区)の大学ブランド。
柏の葉キャンパス(柏市)にある環境健康フィールド科学センターで生産されているジャム。季節により販売するジャムは、異なる。りんご(紅玉・つがる)・キウイフルーツ&りんご・巨峰・ぶどう&りんご・マーマレード(夏柑・橙)などがある。価格は、各350円。キウイと巨峰は、柏の葉地区のセンター産のもの、りんごは森林環境園芸農場(群馬県沼田市)産のもの、柑橘類は海浜環境園芸農場(静岡県賀茂郡東伊豆町)産のものが使用されている。環境健康フィールド科学センター農場生産品販売所「緑楽来(みらくる)」取り扱い。なお、販売所では、ジャム以外にも花卉・果物・野菜などが販売されている。
(注)記載内容は事典編集当時(2010年2月)のものです。内容・価格等はその後に変更になった場合もあります。

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世界大百科事典 第2版 「ジャム」の意味・わかりやすい解説

ジャム【Francis Jammes】

1868‐1938
フランスの作家。ピレネー山脈に近いベアルン,バスク地方で安穏な生活を送りながら,田園の風景,人間,動物,静物などを自由詩形式でうたい,早くからジッド,マラルメらに認められた。《暁のアンジェラスから夕べのアンジェラスまで》(1898)で一躍筆名を高めた後,写生を旨とする〈ジャム主義〉という一種のナチュリスム宣言を書いた。《桜草の喪》(1901)につづく《空の森の空地》(1906)では,友人クローデルの導きで得た信仰の光をうたうとともに,詩形の上でも伝統的定型詩に立ち戻った。

ジャム【jam】

果実あるいは果肉に砂糖を加えて適当な濃度にまで煮つめたもの。〈押しつぶす〉の意の同形の動詞に由来する語と考えられている。パンにぬったり,ケーキ,ペーストリー,タルト,クレープなどに風味づけと彩り,飾りを兼ねて用いられる。果実や果肉は原形を保たなくてもよく,ふつうは煮くずれて混濁している。ゼリー状になるのは,果実中のペクチンと酸に砂糖が作用することによるもので,糖度は65%内外である。果実や果肉の形が残っているものはプレザーブpreserveという。

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百科事典マイペディア 「ジャム」の意味・わかりやすい解説

ジャム

フランスの詩人。ピレネー山麓に生まれ,自然を愛してその地で一生を送る。牧歌的な詩集《暁の鐘から夕べの鐘まで》(1898年)がマラルメに認められ,《野兎物語》《キリスト教農耕詩》など平明でカトリック詩人としてのやさしさのある作品を書いた。
→関連項目驢馬

ジャム

果実の果肉に砂糖を加え煮つめたもの。イチゴ,リンゴ,アンズ,イチジクなどが使用される。果実の原形を保つようにしたプレザーブ,柑橘(かんきつ)類の皮を入れたマーマレードなどがあり,パンにつけたり,菓子の材料にする。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「ジャム」の解説

ジャム【jam】

果物に砂糖を加えて煮詰め、保存性を持たせた食品。いちご・りんご・あんず・オレンジ・ブルーベリーなどがよく用いられる。果実に含まれるペクチンに酸と糖質が作用して透明なペースト状になる。パンに塗ったり、菓子に用いたりする。果実の原形を残すように作ったものを「プリザーブ」、オレンジなど柑橘類を用い、その果皮を含むものを「マーマレード」という。◇「コンフィチュール」ともいう。「コンフィチュール」はフランス語。

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IT用語がわかる辞典 「ジャム」の解説

ジャム【jam】

「ペーパージャム」の略。⇒ペーパージャム

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栄養・生化学辞典 「ジャム」の解説

ジャム

 果実を砂糖と煮た保存食品.粘度を与えるためペクチンなどを添加することがある.

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「ジャム」の解説

ジャム

プリンターなどの内部で用紙が詰まること。

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