ウルマン反応(読み)ウルマンハンノウ(英語表記)Ullmann reaction

化学辞典 第2版 「ウルマン反応」の解説

ウルマン反応
ウルマンハンノウ
Ulmann reaction

】ハロベンゼン類に銅粉を加えて加熱すると,ビフェニル類を生成する反応.たとえば,o-クロロニトロベンゼンからは2,2′-ジニトロビフェニルを生成する.一般に無溶媒で行うが,ニトロベンゼン中で反応させることもある.フェノラートとハロベンゼン類を銅粉とともに加熱して,ジアリールエーテルを生成する反応.たとえば,カリウムフェノラートとブロモベンゼンからジフェニルエーテルが生成する.

また,ハロベンゼン類とアニリン類からジアリールアミンが生成する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウルマン反応」の意味・わかりやすい解説

ウルマン反応
うるまんはんのう
Ullmann reaction

芳香族ハロゲン化合物を銅粉の存在下で加熱してビアリール化合物(アリール基を2個有する)を得る有機化学反応。1904年ウルマンF. Ullmannはヨウ化ベンゼンに銅粉を加えて熱するとビフェニルが生成することをみいだした。同時にウルマンはオルトクロロ安息香酸を銅粉と無水炭酸カリウムの存在下、高級アルコールを溶媒として芳香族アミンフェノールと加熱するとジフェニルアミンやジフェニルエーテルの誘導体を生成することをみいだし、これはウルマン縮合ともよばれる。

[湯川泰秀]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウルマン反応」の意味・わかりやすい解説

ウルマン反応
ウルマンはんのう
Ullmann reaction

芳香族炭化水素ハロゲン化物に,銅粉を高温で反応させて,炭素原子数が2倍の炭化水素 (二量体 ) をつくる方法

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android