ジフェニルアミン(読み)じふぇにるあみん(英語表記)diphenylamine

デジタル大辞泉 「ジフェニルアミン」の意味・読み・例文・類語

ジフェニルアミン(diphenylamine)

芳香族アミンの一。芳香をもつ無色結晶。弱塩基性。アニリンから合成される。糖類呈色反応硝酸塩DNA定量ほか硝煙反応に用いられる。化学式(C6H52NH

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジフェニルアミン」の意味・わかりやすい解説

ジフェニルアミン
じふぇにるあみん
diphenylamine

芳香族アミンの一つ。アニリンの塩酸塩と小過剰のアニリンの混合物を、圧力をかけながら加熱すると得られる無色の結晶。芳香がある。塩基性は弱い。水には溶けないが、エタノールエチルアルコール)、エーテルベンゼンなどによく溶ける。濃硫酸溶液に硝酸イオン亜硝酸イオンを加えると濃青色を呈するので、これらのイオンの検出剤として使われる(ジフェニルアミン反応)。また核酸の定量試薬としても使われる。アゾ染料の合成中間体、ニトロセルロースセルロイドの安定剤として用いられる。発癌(はつがん)性が認められている。

[務台 潔]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「ジフェニルアミン」の解説

ジフェニルアミン
ジフェニルアミン
diphenylamine

C12H11N(169.22).(C6H5)2NH.アニリン塩酸アニリンとの等モル混合物をオートクレーブ中で加熱すると得られる芳香族第二級アミン.葉状晶.融点54 ℃,沸点302 ℃.密度1.16 g cm-3.アルコール類に易溶.その濃硫酸水溶液は,微量硝酸または亜硝酸によって青色を呈するので,これらの検出に用いる.工業的には,染料医薬品中間物として用いられる.[CAS 122-39-4]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジフェニルアミン」の意味・わかりやすい解説

ジフェニルアミン
diphenylamine

芳香をもつ結晶。化学式 C6H5NHC6H5 。アニリンから合成される。融点 54℃。強酸と塩をつくる。染料中間体として重要である。硝酸イオン,塩素酸イオンなどの酸化剤の分析に硫酸とともに用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android