グンバイヒルガオ(英語表記)seaside morning glory
Ipomoea pescaprae L.

改訂新版 世界大百科事典 「グンバイヒルガオ」の意味・わかりやすい解説

グンバイヒルガオ
seaside morning glory
Ipomoea pescaprae L.

世界中の熱帯の海岸の砂浜に見られるヒルガオ科多年草。茎は地面をはい,各節から根を出す。葉は互生し,広楕円形から円形で,長さ3~6cm,先は2裂し,名前のように軍配形になる。花は腋生(えきせい)する花序に数花つき,花冠は漏斗形で,直径3~5cm,桃紫色,時に白色で,熱帯では周年咲き続ける。果実は卵円形で,種子海水浮き,長距離分散をする。日本の東北南部海岸でも,流れ着いた種子が発芽することはあるが,冬には枯れてしまい定着はしない。四国,九州の温暖地では開花結実する。根などを食料不足時に食用にしたという記録がある。全草は馬鞍藤(ばあんとう)の名で,痛み止めやはれものの薬にされ,また種子は腹痛に用いられるという。熱帯圏では,匍匐(ほふく)して茂る性質が砂浜の砂止めに利用される。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グンバイヒルガオ」の意味・わかりやすい解説

グンバイヒルガオ
ぐんばいひるがお / 軍配昼顔
[学] Ipomoea pes-caprae (L.) Sweet

ヒルガオ科(APG分類:ヒルガオ科)の多年草。茎は砂上を長くはって分枝し群生する。葉は広楕円(こうだえん)形で質は厚く光沢があり、先はへこんで軍配団扇(うちわ)に似る。8~9月、葉腋(ようえき)に葉より長い花柄を伸ばし、集散状に1~3個の花を開く。花冠は紅紫色で漏斗(ろうと)状である。

 海岸の砂地に生え、日本では小笠原(おがさわら)、四国、九州南部にみられ、世界各地の亜熱帯から熱帯に広く分布する。関東地方以西の本州にも海流にのって、漂着し発芽するが、繁殖には至っていない。

[高橋秀男 2021年6月21日]


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