ジンチョウゲ(沈丁花)(読み)ジンチョウゲ(英語表記)Daphne odora; winter daphne

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジンチョウゲ(沈丁花)」の意味・わかりやすい解説

ジンチョウゲ(沈丁花)
ジンチョウゲ
Daphne odora; winter daphne

ジンチョウゲ科の常緑低木。中国原産であるが日本で庭木として普通に栽植される。茎は直立分枝し,樹皮には褐色の強い繊維がある。葉は倒披針形,全縁で密に互生する。園芸品ではときおり,葉縁部が白い縁どりになっているものがある。花は枝先に頭状に集まってつき,春先に開花する。がくは筒状で先端が4裂し,白色または紅紫色である。開花時に強い芳香を出す。雌雄異株で,日本のものはほとんどが雄木なので結実することは少なく,もっぱら挿し木で繁殖する。和名は花の香りを,香料として有名なジンコウ (沈香) およびチョウジ (丁子) の香りにたとえたものである。なお,日本に自生する同属の近縁種としてオニシバリ D. pseudo-mezereumコショウノキ D. kiusianaがある。

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百科事典マイペディア 「ジンチョウゲ(沈丁花)」の意味・わかりやすい解説

ジンチョウゲ(沈丁花)【ジンチョウゲ】

中国原産の庭木にされる常緑低木。1〜1.5mの高さになり,枝を多く分け,株は球状になる。葉は倒披針形で,革質。早春,枝先に10〜20花が頭状につき,強い芳香を放つ。4裂した花冠状のがくは,長さ約1cm,外側が紅紫色で内面は白色。雌雄異株だが,雌株はまれ。さし木でふやす。斑入(ふいり)葉や白色花の品種もある。名は花のかおりを沈香と丁香にたとえたもの。

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