沈香(読み)ジンコウ

デジタル大辞泉の解説

じん‐こう〔ヂンカウ〕【沈香】

ジンチョウゲ科の常緑高木。熱帯地方に産する。葉は楕円形。花は白く、香りがある。
1からとった香料。生木または古木を土中に埋め、腐敗させて製したもの。最優品を伽羅(きゃら)という。沈水香。じん。

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百科事典マイペディアの解説

沈香【じんこう】

香木の一種。インド,東南アジアに分布するジンチョウゲ科の常緑高木,および材が長期間土中に埋もれ,樹脂が浸出して香木となったものをいう。香木は黒褐色で光沢に富み,堅く比重の大きいものほど良品とされ,特に優良なものを伽羅(きゃら)と呼ぶ。そのままでは香気は弱いが,火にくべると強い芳香を放つ。古来薫香(くんこう)として賞用。
→関連項目アロマセラピー奇応丸香木

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世界大百科事典 第2版の解説

じんこう【沈香 aloeswood】

熱帯産のジンチョウゲ科の樹木からとる香木。これらの樹木の材が土中に埋まり,樹脂が浸出し,長期間を経て香木の状態になったものを,時代や品質によって香,伽羅(きやら)などと呼ぶ。良質のものは比重が大きく,水に沈むので,沈香という名が生じた。沈香の原料植物は,いくつかの種類があり,必ずしも特定できないが,有名なものは,とくにジンコウの名があたえられているAquilaria agallocha Roxb.で,高さ約30mの常緑高木になる。

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大辞林 第三版の解説

じんこう【沈香】

ジンチョウゲ科の常緑高木の幹に自然あるいは人為的につけたきずから真菌が侵入し、生体防御反応によって分泌された油・樹脂の部分を採取したもの。香木の代表とされるもので、水に沈むところから沈水香とも呼ばれる。インド・ベトナム・東南アジア産。優品を伽羅きやらと呼ぶ。

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動植物名よみかた辞典 普及版の解説

沈香 (ジンコウ)

学名:Aquilaria agallocha
植物。ジンチョウゲ科の常緑高木,薬用植物

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精選版 日本国語大辞典の解説

じん‐こ ヂン‥【沈香】

〘名〙 「じんこう(沈香)」の変化した語。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「『腎居寺でたく、そりゃ沈香(ヂンコ)』『沈香(ヂンコ)は金山ふもと、そりゃ金海鼠(きんこ)』」

じん‐こう ヂンカウ【沈香】

〘名〙
① ジンチョウゲ科の常緑高木。インドから東南アジアに分布する。幹は高さ二〇メートルにも達する。葉は長さ五~七センチメートルの長楕円(だえん)形で先は尾状にとがる。花は先が深裂した鐘形で白色。果実は長さ約五センチメートルの楕円状で、熟すと二裂する。材は香木として珍重され、インドでは薬用にもする。じん。〔十巻本和名抄(934頃)〕
② ①から採取した天然香料。樹幹に真菌が侵入し、その菌糸に対抗して分泌された成分が香料となる。特に光沢のある黒色の優良品を伽羅(きゃら)という。
※大安寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747)「合沉香伍拾玖斤壱拾伍両」 〔晉書‐王敦伝〕

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世界大百科事典内の沈香の言及

【ジンチョウゲ(沈丁花)】より

…しかし,植物体各部に有毒成分を含むものがあり,液果を食べると中毒死を,また樹液は皮膚にかぶれを起こす。東南アジア産で,香の貴重な材料となるジンコウ(沈香)もこの科に含められる。【浜谷 稔夫】。…

※「沈香」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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