バアソブ(読み)ばあそぶ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バアソブ」の意味・わかりやすい解説

バアソブ
ばあそぶ / 婆蕎
[学] Codonopsis ussuriensis (Rupr. et Maxim.) Hemsl.

キキョウ科(APG分類:キキョウ科)の多年生つる草。塊根球形。葉は裏面に毛がある。8~10月、鐘形の紫褐色花を垂れ下げる。花冠は近縁ツルニンジンに比べ、小形である。丘陵から山地野原に生え、北海道から九州、および朝鮮半島、中国東北部、ウスリー、アムールに分布する。名は、花冠の斑点(はんてん)を老婆のそばかす(そぶ)に見立ててつけられたもので、ツルニンジンの別名ジイソブ(爺蕎)は、これに対比させたもの。

[高橋秀男 2021年10月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バアソブ」の意味・わかりやすい解説

バアソブ
Codonopsis ussuriensis

キキョウ科の多年生つる草で,アジア東部の温帯に分布する。日本各地の山地の林内に自生する。地下に丸い塊根があり,茎は細くつるになって 3mをこえる。葉は長さ2~4cmの長円形で先はとがらず,茎とともに毛が多い。萼片は 1cmあまり,花冠は長さ 2cm内外の鐘状内側は先に近い部分が濃紫色外面淡紫色を帯びた白色である。よく似たつる草にツルニンジン (蔓人参),一名ジイソブがある。

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百科事典マイペディア 「バアソブ」の意味・わかりやすい解説

バアソブ

ツルニンジン

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世界大百科事典(旧版)内のバアソブの言及

【ツルニンジン(蔓人参)】より

…根がチョウセンニンジンに似ていて,茎がつるになるのでこの名があり,チョウセンニンジンの代用に使われたこともある。バアソブに対し,ジイソブともよばれる。ソブとはそばかすのことで,花冠内面の斑点をたとえたものである。…

※「バアソブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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