バッドランズ(英語表記)Badlands

改訂新版 世界大百科事典 「バッドランズ」の意味・わかりやすい解説

バッドランズ
Badlands

アメリカ合衆国サウス・ダコタ州南西部,ブラック・ヒルズの東に,5000km2にわたって広がる地域。乾燥した気候のもとで,断続的な豪雨流水浸食により,急崖と複雑な谷が形成された。植物は生育せず,農地として利用できない土地であり,通行も困難な地形なので,白人開拓者が〈バッドランズ(悪地地形)〉と名づけた。19世紀後半にはスー族がこの自然の地形を利用して,長期間白人の侵入と闘った。バッドランズ国定記念物は1939年制定。湿潤時代に生息していたマンモスなどの大型動物やアンモナイトなどの貝類の化石を多く産する。他の乾燥・半乾燥地域の同様の浸食地形をバッドランドと呼ぶ語源となった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バッドランズ」の意味・わかりやすい解説

バッドランズ
Badlands

アメリカ合衆国,サウスダコタ州南西部の高原ブラックヒルズ (山地) の南東方,シャイアン川とホワイト川の流域約 5200km2の地域。乾燥気候植生に乏しいため浸食作用が激しく働き,深い谷とけわしい尾根の入組んだ不毛の地。こうした地形をさすバッドランド (悪地地形) という語は,ここで初めて使用された。中生代以後の爬虫類鳥類哺乳類などの化石が多いことで有名。

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