下紐(読み)シタヒモ

デジタル大辞泉 「下紐」の意味・読み・例文・類語

した‐ひも【下×紐】

下帯2」に同じ。
《古くは「したびも」》下裳したも下袴したばかまなどの紐。下結したゆう紐。
「君に恋ひうらぶれ居れば悔しくもわが―の結ふ手いたづらに」〈・二四〇九〉
腰巻き。
白羽二重の―をわざと見せるはさもし」〈浮・一代女・六〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「下紐」の意味・読み・例文・類語

した‐ひも【下紐】

〘名〙
装束の下、肌着の上に結ぶ帯。したおび。
書紀(720)崇神一〇年九月(北野本南北朝期訓)「遂(つひ)美麗(うるは)しき小蛇(こをろち)有り。其(そ)の長(なか)さ大(おをき)さ衣紉(シタヒモ)の如(こと)し」
② (上代は「したびも」) 下裳・下袴の紐。→したひもの(下紐━)
万葉(8C後)一五・三七六六「うるはしと思ひし思はば之多婢毛(シタビモ)に結ひつけ持ちて止まず偲(しの)はせ」
源氏(1001‐14頃)夕顔「なくなくもけふはわがゆふしたひもをいづれの世にかとけてみるべき」
③ 腰巻をいう。二布(ふたの)。したへぼ。
※浮世草子・好色一代女(1686)六「いつ見ならひけるつまなげ出しの居ずまひ、白羽二重の下紐(シタヒモ)を態と見せるはさもし」
④ ふんどし。〔日葡辞書(1603‐04)〕

した‐ひぼ【下紐】

〘名〙 「したひも(下紐)」の変化した語。
※とはずがたり(14C前)一「心よりほかにとけぬる下ひぼのいかなるふしにうき名ながさん」

した‐へぼ【下紐】

〘名〙 (「したひも(下紐)」の変化した語) 女性の腰巻。ゆもじ。したえぼ。

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