(読み)ボウ

デジタル大辞泉 「乏」の意味・読み・例文・類語

ぼう【乏】[漢字項目]

常用漢字] [音]ボウ(ボフ)(呉) [訓]とぼしい
必要な物が足りない。とぼしい。「窮乏欠乏困乏耐乏貧乏

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精選版 日本国語大辞典 「乏」の意味・読み・例文・類語

とぼし・い【乏】

〘形口〙 とぼし 〘形シク
① 足りない。十分でない。ともしい。
古本説話集(1130頃か)六二「よろづに、とぼしき物、つゆなし」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一一「東風君の様な経験の乏しい青年諸君は」
② まずしい。ともしい。
私聚百因縁集(1257)八「最(いと)痛く貧(トホシキ)者は誠に返す事を得じと唱ふべきを」
[語誌](1)トモシの子音交替形。中世ではトモシ・トボシ両形が用いられているが、近世に入るとトボシに落ちついた。
(2)上代ではトモシの形で、心ひかれる、うらやましい等の意味にも用いられたが、トボシの形では、少ない、乏しい、貧しいの意味でのみ用いられている。
とぼし‐げ
〘形動〙
とぼし‐さ
〘名〙

ぼう バフ【乏】

〘名〙
① 足りないこと。とぼしいこと。欠乏。
官職があいていること。
歩射の的(まと)背後に設置する流矢防止の器具黒木山形に交差して作った台の名称。乏形(ぼうかた)。〔内裏式(833)〕 〔文選注‐張衡・東京賦〕

とぼし【乏】

〘形シク〙 ⇒とぼしい(乏)

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