(読み)ボウ

デジタル大辞泉 「乏」の意味・読み・例文・類語

ぼう【乏】[漢字項目]

常用漢字] [音]ボウ(ボフ)(呉) [訓]とぼしい
必要な物が足りない。とぼしい。「窮乏欠乏困乏耐乏貧乏

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「乏」の意味・読み・例文・類語

ぼうバフ【乏】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 足りないこと。とぼしいこと。欠乏。
  3. 官職があいていること。
  4. 歩射の的(まと)背後に設置する流矢防止の器具黒木山形に交差して作った台の名称。乏形(ぼうかた)。〔内裏式(833)〕 〔文選注‐張衡・東京賦〕

とぼし【乏】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙とぼしい(乏)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「乏」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 4画

[字音] ボウバフ)・ホウ(ハフ)
[字訓] とぼしい・すてる

[説文解字]
[金文]

[字形] 象形
仰むけの屍体の形。水に浮かぶものは泛、土中に埋めることを(へん)・(ほう)という。〔説文〕二下に訓義を説かず、「春秋傳に曰く、正に反するを乏と爲す」と〔左伝、宣十五年〕の文を引いて字形を説くが、字は正の反形ではなく、むしろ(亡)の反文に近い。乏困の意は、その天禄の少ないことをいう。〔荘子、天地〕に「吾が事を乏(す)つること無(なか)れ」という用法がある。矢ふせぎの意は、を転用したものであろう。

[訓義]
1. 死者、仰むけの死者、変死者。
2. とぼしい、幸少なし。
3. すてる、つかれる、おとろえる、空乏
4. 矢ふせぎ、獲者(あたり矢を数える人)の矢ふせぎ。

[古辞書の訓]
名義抄〕乏 トモシ・ツクス 〔字鏡集〕乏 ハイタナリ・タニミヌ・トモシ・ハヂ・ナヅム・ツクル

[声系]
〔説文〕に乏声として貶・・泛など十字を収める。おおむね乏の声義を承ける字である。

[熟語]
乏匱乏興乏竭・乏月・乏・乏困・乏歳・乏資乏少・乏人乏尽・乏絶乏頓乏厄乏累乏劣
[下接語]
渇乏・匱乏・乏・急乏・窮乏・虚乏・窘乏・空乏・欠乏・倹乏・困乏・承乏・耐乏・疲乏・貧乏・補乏・乏・労乏

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android