千度（読み）センド

デジタル大辞泉

せん‐ど【千度】

［名］千回。転じて、回数の多いこと。
［副］
１ （主に関西地方で）たびたび。さんざん。「―言うたのに」
「―泣いたがようござったか」〈虎清狂・泣尼〉
２ ひどく。たいそう。
「初午は―むちゃむちゃぢゃわいな」〈洒・風流裸人形〉

ち‐たび【千度】

千回。また、回数の非常に多いこと。せんたび。
「思ひにし死にするものにあらませば―そ我は死にかへらまし」〈万・六〇三〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

せん‐ど【千度】

[1] 〘名〙

① 千回。千たび。〔名語記（1275）〕

② 「せんどばらい（千度祓）」の略。

※御湯殿上日記‐文明一七年（1485）閏三月二八日「ないし所の御せんとまいる」

③ たびたび。何度も何度も。

※滑稽本・浮世風呂（1809‐13）二「上(かみ)の風に丸を料理して食て見たいと、千度(センド)いふても」

④ 分量の多いさま。たくさん。どっさり。

※古活字本荘子抄（1620頃）三「せんとこしらへて結構せうとしたれば」

[2] 〘副〙

① 程度のはなはだしいさまを表わす語。ひどく。大層に。さんざん。

※杜詩続翠抄（1439頃）七「せんとをもへり 八九月に成らんを恃に思たなり」

② 特に手間や労力をかけてするさまを表わす語。わざわざ。

※浄瑠璃・唐船噺今国性爺（1722）中「御老体のせんどお出のかひもなく」

ち‐たび【千度】

〘名〙 千回。また、度数の多いこと。あまたたび。

※万葉（８Ｃ後）二・一八六「一日には千度(ちたび)参りし東の大き御門を入りかてぬかも〈草壁皇子の宮の舎人〉」

※新古今（1205）秋下・四八四「ちたびうつきぬたの音に夢覚めて物思ふ袖の露ぞくだくる〈式子内親王〉」

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【千度】せんど

ちたび。

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出典　平凡社「普及版 字通」