普及版 字通 「千(漢字)」の読み・字形・画数・意味
千
常用漢字 3画
[字訓] ち
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 形声
声符は人(じん)。卜文・金文は、人の下部に肥点を加えて、人と区別する。〔説文〕十部三上に「十百なり。十に從ひ、人に從ふ」と会意に解するが、〔伝〕には人声とする。金文に「年」を「人」としるす例があって、人を年の意に用いる。人にその声もあったのであろう。卜文に二千・三千を、人の下部に二横画・三横画を加えてしるす例があるので、千が人声に従う字であったことは疑いがない。
[訓義]
1. せん。数のせん、ち。
2. ちたび、おおい。
3. に通じ、草のしげるさま。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕千 チチ/一千 ヒトチヂ/且千 -トチヂバカリナリ
[声系]
〔説文〕に千声として年など三字を収める。年の初形は禾(か)の下に人をしるしている。禾形のものを戴いて舞う人の形で、禾は稲魂(いなだま)。おそらく祈年の舞であろう。その舞う女を委・季という。年はもと年穀の意であった。
[語系]
千・仟・阡tsyenは同声。仟は〔説文〕未収の字。〔漢書、食貨志上〕に「仟佰(せんはく)の得」の語があり、千銭をいう。阡は〔説文新附〕十四下に「路の~南北なるを阡と爲す」とあり、東西を陌というのに対する語で、数の意味はない。
[熟語]
千鎰▶・千衛▶・千億▶・千家▶・千▶・千巌▶・千騎▶・千金▶・千鈞▶・千斤▶・千軍▶・千計▶・千頃▶・千言▶・千古▶・千戸▶・千缸▶・千劫▶・千差▶・千歳▶・千載▶・千山▶・千祀▶・千思▶・千駟▶・千七▶・千室▶・千日▶・千社▶・千種▶・千樹▶・千愁▶・千秋▶・千緒▶・千鍾▶・千觴▶・千乗▶・千状▶・千丈▶・千仞▶・千尋▶・千声▶・千尺▶・千石▶・千足▶・千朶▶・千態▶・千代▶・千重▶・千張▶・千度▶・千人▶・千年▶・千念▶・千佰▶・千帆▶・千般▶・千百▶・千廡▶・千夫▶・千聞▶・千兵▶・千変▶・千片▶・千▶・千畝▶・千峯▶・千万▶・千眠▶・千門▶・千憂▶・千里▶・千慮▶・千縷▶・千齢▶・千錬▶・千廬▶
[下接語]
盈千・億千・秋千・十千・数千・直千・当千・万千・百千
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報