大事の前の小事(読み)ダイジノマエノショウジ

デジタル大辞泉 「大事の前の小事」の意味・読み・例文・類語

大事だいじまえ小事しょうじ

大事をなすには、小事にも気をつけ油断してはならない。
大事をなそうとするときは、小事にかまってはいられない。

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精選版 日本国語大辞典 「大事の前の小事」の意味・読み・例文・類語

だいじ【大事】 の 前(まえ)の小事(しょうじ)

① 大事を行なう前は、どんな小事にも油断をしてはいけないということ。
歌舞伎・出来龝月花雪聚(真田幸村)(1871)二幕「おお大事(ダイジ)の前(マヘ)の小事(セウジ)ゆゑ、随分共に心を附けよ」
② 大事を行なう場合は、小事にかかわっていられないということ。大事の前には小事を犠牲にしてもやむをえない。
平治(1220頃か)上「然に頼政・光泰・光基も、心がはりして見えければ、義朝うたばやと思はれけれども、大事の前の小事、敵に利をつくるはしなれば、思ひとどまり給けり」

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ことわざを知る辞典 「大事の前の小事」の解説

大事の前の小事

大きな事をなそうとするときに出てきた小さな問題で、かかずりあってはいられない。大事の前には小事を犠牲にしてもやむをえない。また、大事を行う前は、どんな小事にも油断をしてはいけない。

[使用例] まあ、長州の人たちの身になったら、こんな非常時には非常な手段を要するとでも言うんでしょうか。英吉利からの武器供給は大事の前の小事だぐらいに考えるんでしょうか[島崎藤村*夜明け前|1932~35]

[解説] 同じ「大事の前の小事」でも、対処法は、犠牲はやむをえないとするものと、油断してはならないとするものの両極に分かれます。

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