デジタル大辞泉
「随分」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ずい‐ぶん【随分】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙 分限に応じていること。身分相応なこと。
- [初出の実例]「生事任レ情甘二素食一、官銜随レ分忝二閑曹一」(出典:田氏家集(892頃)中・身無繋累)
- 「三条らも、すいふんに栄えて、かへり申しはつかうまつらむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)玉鬘)
- 「出家随分の功徳とは、今に始めたることにはあらねども」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一一)
- [ 2 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」「に」を伴って用いることもある )
- ① (不十分ではあるが)そのものの立場でできるかぎりのことをするさま。ぎりぎりの線まで。極力。せいぜい。精一杯。
- [初出の実例]「二位中将の所望候しを、入道随分執り申しか共、遂に御承引なくして」(出典:平家物語(13C前)三)
- 「親のきらふ女房にずいぶんと孝行尽し、親には不孝尽しや」(出典:浄瑠璃・心中宵庚申(1722)下)
- ② 程度や優れていることなどが相当であるさま、ひとかたでないさまをいう。はなはだ。大いに。非常に。かなり。
- [初出の実例]「忠宗・景宗も、随分血気の勇者にて、抜群の者なりしか共」(出典:平治物語(1220頃か)下)
- 「Zuibunni(ズイブンニ) トトノエマラセウズ〈訳〉私が十分に用意しましょう、または、十分よく取り計らいましょう」(出典:日葡辞書(1603‐04))
- 「『おめへン所のかかさんは縫ちゃア呉めへ。』『ずいぶん縫ふのさ。サア、出しなせへ』」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前)
- 「兎も角、随分(ズヰブン)と不自由な事だらう」(出典:都の友へ、S生より(1907)〈国木田独歩〉)
- ③ ( 下に打消・禁止の語を伴って ) 決して。必ず。なかなか。容易には。
- [初出の実例]「『初た所へいて、ねむったらば、さんざんであらふ』と云。『ずいぶんねむりまらすまひ』と云」(出典:天理本狂言・啼尼(室町末‐近世初))
- 「治まりたる御代にいても乱をわすれず、づい分油断なく武芸はげみ」(出典:黄表紙・高漫斉行脚日記(1776)下)
- [ 3 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙
- ① 程度が相当なさま、すぐれているさま。→随分の人。
- ② 非道であるさま。はなはだしく非難すべきさま。近代、多く女性の間に用いられる語。
- [初出の実例]「夫人も髄分だわねえ。だけれども、何だって其様な事を、阿嬢様に伺へなんて仰有るだらう?」(出典:魔風恋風(1903)〈小杉天外〉後)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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「随分」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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