安閑(読み)アンカン

デジタル大辞泉 「安閑」の意味・読み・例文・類語

あん‐かん【安閑】

[ト・タル][文][形動タリ]
のんびりとして静かなさま。心身の安らかなさま。
「紅だか白だか要領を得ぬ花が―と咲く」〈漱石草枕
危急に際して、何もせずぼんやりしているさま。「安閑としてはいられない」
[類語]気楽のんき安楽太平楽左団扇能天気気軽気軽いのうのうのほほんぬるま湯につかる

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精選版 日本国語大辞典 「安閑」の意味・読み・例文・類語

あん‐かん【安閑】

〘形動タリ・ナリ〙 (現代では「と」を伴って副詞的に用いることが多い)
① のんびりとして静かなさま。安らかに静かに暮らすさま。
康富記‐応永二七年(1420)八月二七日「今日書之、付進政所了。予安閑之間、詠一首
※中華若木詩抄(1520頃)下「此の中の安閑なるには竹さへ煩になるぞ」 〔欧陽修‐豊楽亭記〕
② 危急のことがあったりするのに、何もしないでぼんやりしているさま。なすこともなくぼんやりとして時を過ごすさま。
慶長見聞集(1614)四「ただあんかんと夜を明し日を暮し」

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普及版 字通 「安閑」の読み・字形・画数・意味

【安閑】あんかん

しずかにゆったりする。宋・軾〔太白山下早行~〕詩 亂山、たへ 燈澹(あは)し 走、郵を煩はし 安閑、老に愧(は)づ

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