株河駅(読み)くいぜがわのえき

百科事典マイペディア 「株河駅」の意味・わかりやすい解説

株河駅【くいぜがわのえき】

美濃国不破(ふわ)郡にあった東山(とうさん)道宿駅と推測される。不破郡安八(あんぱち)郡の境を流れる株河(くいせがわ)(杭瀬川)の河岸にあったとみられるが,具体的な位置は不明。承久の乱で西上した幕府軍が〈株河・州俣・市脇等〉の京方の拠点を攻略し,1232年には執権北条泰時寛喜の大飢饉に対する撫民のため株河駅で往反浪人に旅粮を与えている。鎌倉後期以降文献から姿を消し,西方の赤坂宿(現岐阜県大垣市)にとって代わられたものとみられる。→宿・宿駅

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改訂新版 世界大百科事典 「株河駅」の意味・わかりやすい解説

株河駅 (くいぜがわのえき)

美濃国不破郡の東山道の宿駅か。不破郡と安八郡の境を流れる株河(杭瀬川。赤坂の東)の河岸にあったと考えられる。《吾妻鏡承久3年(1221)6月6日条には,承久の乱で西上した幕府軍が株河・州俣・市脇の京方の拠点を攻略したことがみえ,同じく貞永1年(1232)11月13日条には,執権北条泰時が飢饉で苦しむ民衆への仁政として,株河駅で往反の浪人に旅粮を給与したことがみえる。
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